『国際組織法』について



 国際組織法とは何か、いかなる概念で、どのような法体系を有するのかについては、
大きく2つの見解に分かれる。

 筆者は、(a)国際機構の法一般ではなく、対外的作用/行為に関わる法を除いた、国際機構の「組織法」を、
「国際組織法」と捉えている。 このような考え方は、国際組織法を専門とする研究者に多い。
International Institutional Law の訳語に対応するが、国際機構の組織法としての国際組織法の体系書としては、
オランダのスヘルマースらの次の著書が最も評価が高い。
→Henry G. Schermers & Niels M. Blokker, International Institutional Law (fourth revised edition, 2003)

 (b)「国際機構(すなわち、国際組織)」に関わる法一般を、「国際組織」法 (国際組織の法)と考える場合もある。
この捉え方は、国際法一般の研究者に比較的多い。この意味の国際組織法、すなわち Law of International
Organizationsは、ここでは、「国際機構法」と呼称することで区別したい。